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社会教育事業

令和4年度結果報告

高校生世代チャレンジプログラム

10月30日(日)から2月19日(日)のほぼ毎週日曜日高校生世代またはそれに準じる年齢の個人又は団体を対象に『2030年にむけて「いま」きみができること』をテーマに「持続可能な開発目標」「Sustainable Development Goals」SDGsの達成を目指す国際目標の2030年にむけて、未来を担う高校生世代が「いま」互いを認め合い、未来につなげるために、ベストを尽くしてできることは何か、何をすべきなのかを考えてイベントなどを企画し、活動計画や資金計画を作成し、自ら実施までの一連の取組を全て行う社会的起業(ソーシャルビジネス)体験プログラムを高校生の7のチームが次のような課題に分かれて活動を実施した。

① 環境5チームは、世間の海洋ごみ問題に対する関心の向上について、海洋ゴミ問題という漠然とした問題意識は全員持っていたが、調べていく過程で海洋ゴミ問題がいかに深刻かを知ると同時に、この大きな課題に対して解決策を見出そうとしている企業が多くいることも知ることができた。今回、海洋プラスチックゴミを再利用した商品であるBOPEとsobolonの委託販売を、アースガーデンという大きな環境系のイベントで実施することで人々の関心を向上させることを狙った。

② ミノラ―チームは、LGBTの問題に対する意識向上のためにLGBT当事者は私達が見ている社会とは少し違う社会を見ている背景がある。そのため、日常の生活に違和感を覚えることがあり、生活しづらいと感じる。このことを多くの人に知ってもらい、意識を向上させることが必要。意識が向上することで、LGBT当事者が生活しやすくなることを狙った。

③ ボンドチームは、在日外国人の孤立解消のために在日外国人にアンケートを取り、日本人との個人的な繋がりがないと判明。また日本人と親しくなった矢先、連絡が途絶えた経験を持つ方もいた。在日外国人が求めているのは、些細な悩みを相談できる交友関係であると判明。そこで在日外国人と日本人の交流イベントを開催。親しい関係を築くため、イベントは二回完結型、外国人と日本人の協力が不可欠なミッションを課す。親密度を深めて、プライベートで遊びに行く仲になってもらう事を狙った。

④ 美味チームは、規格外野菜の価値向上を目指し、生産者側の食品ロス、規格外野菜の価値向上に取り組みました。規格外野菜とは外見が市場が定めた規定から外れている野菜を指し、全ての野菜の2割〜3割を占めます。外見が悪いだけで規格外野菜の殆どが廃棄されています。視覚だけでなく味覚・触覚でも感じることで効果的に中身は正規品と変わらないと知って頂けると考え、イベントでは規格外品を用いたスイーツやスープ、無加工の規格外野菜の販売を行いました。

⑤ プリンチームは、発達障害のひとの理解促進のために現在の世の中での発達障害への誤解などを解き、知らないことを紹介していく授業を展開した。

⑥ こめでチームは、コメあまりの解消を目指し、食品ロスに取り組みました。近年、日本では米の消費量が下がっているため、米あまりが発生している現状があります。長期的な日本人の米離れが主な原因だと気づき、その問題の解決に貢献したいと思いました。そのため、米はそのまま食べるだけではなく紙にしたり、プラスチックにしたり、パンケーキにしたり様々な食べ方ができるのだと伝えるために、調布マママルシェでこめでパンケーキの販売を行いました。

⑦ Symphonyチームは、偏見のない世界を目指し、自分達の実体験(不登校や学校での差別)や適応障がい者、高校教員等のインタビューを通じて、『学生がマイノリティについて知る機会が少ない』という問題を身を持って感じた。今回、学生に楽しく多様性を学んで貰う為に、「多様性×カードゲーム×学び発見」をコンセプトにイベントを2回実施した。

そして、2月19日(日)活動報告会を行いました。7のグループが活動内容を発表し審査いたしました。大賞の審査員には、米田 瑠美氏(認定NPO法人カタリバ 職員/文京区青少年プラザb-lab 館長)・川村研治氏(元ESD活動支援センター兼公益財団法人日本環境協会参与)・森元 憲介氏(東京証券取引所・大阪取引所 金融リテラシーサポート部 課長)・土屋佳子氏(東京都教育庁地域教育支援部生涯学習課長代理)の4名があたり、「企画力」「創造力」「社会参画・社会貢献力」「コミュニケーション力」「プレゼンテーション」の5つの項目で審査を行いました。金賞は、講師であるCuriosityのメンバーと当館の担当者が、過程を重視し「目的及びテーマに沿って各グループが設定したターゲットに対して社会的貢献度が高い企画を立案していたか?」「プロジェクトの計画は効果的、効率的に運用できていたか」「各メンバーからほとばしる熱い情熱を感じたか」「困難に直面しても前向きな思考で問題解決に取り組んでいたか」「プレゼンテーション」の5つの項目で審査を行いました。来場者賞は、来場者が、目的及びテーマに照らして来場者の主観で審査を行いました。

厳正なる審査の結果、大賞は在日外国人孤立解消の「ポンド」グループ、金賞は偏見のない世界をの「Symphony」グループ、来場者賞は規格外野菜の価値向上問題「美味」グループが受賞しました。